ナタリー式!最後まで読まれる文章の書き方【作文はプラモデル】

「人に読まれる文章を書きたい。わかりやすい文章を書けるようになりたいな。」

 

こんな疑問に答えます。

 

✓この記事の内容

こんにちは、モロです。

 

この記事は「新しい文章力の教室」のレビュー記事です。
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著者は唐木元さん。ポップカルチャーのニュースサイト・ナタリーの元編集長です。

 

月に3000本以上の記事をアップするナタリーでは、1人のライターが1日に5本~10本の記事を書きます。そんなライターたちを、スキルゼロから育成してきたのが唐木さんです。

 

さっそく内容の一部を紹介します。

 

作文はプラモデル

文章を書くことは、プラモデルを作るのと同じです。

 

「どういうこと?」と思った方、安心してください。順番に説明していきます。

 

✓良い文章とは、完読される文章

この本での良い文章とは、完読される文章、つまり「最後まで読まれる文章」です。

 

では最後まで読まれる文章とは、どんな文章でしょうか?

 

ポイントは3つあります。「事実」と「ロジック」と「言葉遣い」です。

 

大前提は「いきなり書き始めないこと」です。大事なことなのでもう一度いいます。

 

「良い文章を書くには、いきなり書き始めてはいけません。」

 

書く前に準備が必要だからです。

 

どんな準備をするのかというと「文章を書くための地図」を用意します。具体的には「事実」を集め「ロジック」を作っていきます。

 

✓ロジックの作り方

事実を集めてロジックをつくっていきます。具体的には「主眼と骨子」を決めていきます。

 

「何だそれ?」という感じですね。

 

主眼とは、「テーマ」のことです。「どんなことを伝えるのか」ということです。


骨子は、「要素」「順番」「軽重」の3つにわかれます。「何を」「どれから」「どれくらい」話すのかということです。

 

「う~ん、いまいちよくわからないな。」と思われた方も、大丈夫です。次の話を聞くとスッと理解できます。

 

✓作文はプラモデルと同じという話

「作文はプラモデル」と最初にいったとおり、ここまでの話をプラモデルにたとえてみます。

 

プラモデルには完成図があります。だいたい箱に描かれていますね。完成図は文章でいう、「テーマ」にあたります。「どんなことを伝える文章なのか」という主題です。

 

またプラモデルには、バラバラのパーツが用意されています。パーツは「何をいうか」という文章の「要素」にあたります。

 

そして取説を見ながら、パーツを組み立てていきます。取説には「どれから」組み立てるかという「順番」と、「どこを重点的に」作るかという「軽重」が書かれています。


これが、文章を作るための地図にあたります。

 

つまり、完成図とパーツと取説があれば、誰でもプラモデルを作れるように、「テーマ」と「要素」「順番」「軽重」を用意すれば、誰でも良い文章が書けるということです。

 

作文がプラモデルであると、わかっていただけたと思います。次からは、より具体的な方法に入っていきます。

 

文章をプラモ化する方法

「構造シート」というものを作っていきます。


ここが一番大事です。このとおりにやると、言いたいことが伝わる文章が書けますよ。

 

構造シートの作り方

4つの手順で作っていきます。

 

・手順①:パーツ(要素)をそろえる
・手順②:主眼(テーマ)を設定する
・手順③:パーツの順番を決める
・手順④:パーツの軽重を決める

 

手順①:パーツ(要素)をそろえる

✓事実を集めて箇条書きにする

まずは情報収集です。記事に必要な情報を集め、箇条書きにしていきます。

 

✓足りない情報がないか確認する

情報に抜けがないか確認します。


5W1Hを使って確認するのもアリです。完璧ではありませんが、明らかに足りない部分に気づけます。


足りないものがあれば、さらに情報を集めます。

 

手順②:主眼(テーマ)を設定する

プラモデルでいうところの完成図です。「どんなことを伝える文章なのか」を決めます。

 

自分なりの切り口にするのがポイントです。集めた情報が同じであっても、切り口が違えば、魅力的な文章になるからです。

 

手順③:パーツの順番を決める

ここからはプラモデルの取説を作っていくイメージです。

 

①で集めたパーツ(要素)について、記事に書く順番を決めていきます。番号をふったら1から順に並び替えましょう。

 

手順④:パーツの(軽重)を決める

③で順番を決めたら、次はパーツ(要素)のそれぞれの重要度を決めます。たとえばA、B、Cの3段階で評価して、パーツの横に書いていきます。

 

これで取説の完成です。

 

✓要素を削ってもOK

テーマに合わせてあまり重要でないと思うところは、思い切って削ってしまってもOKです。

 

✓文章の最初に結論をいうのがいい

冒頭で興味をひきつけて、完読してもらうためです。

 

「サビ頭」という音楽用語があります。曲のはじめにサビを聞かせて、インパクトを与えることです。それと同じで文章のはじめに結論を伝えることで、相手の興味を引きます。

 

ここまでが「構造シート」の作り方です。

 

参考に、この記事を書くときに作った構造シートを貼っておきます。

 


構造シートができあがったら、内容に肉付けしていく

取説にしたがって、プラモデルを作っていくような感じです。文を加えたり、接続詞を入れたりして、どんどん書いていきます。

 

✓途中で書けなくなったら

ここまで準備をしても、書けなくなってしまうこともあります。

 

そんなときは書けないところをいったん飛ばして、ひとまず最後まで書き切るほうがいいです。おしまいまでいってあとから修正するほうが、書きやすいからです。

 

書けない原因はほとんどの場合、構造シートの問題です。もう一度構造シートにおかしな点がないか、確認してみてください。

 

70点の文章を100点に近づけるには

最後です。

 

最後まで読まれる文章を書くポイントは「事実」と「ロジック」と「言葉遣い」というお話でした。

 

ここまで書いてきたことは、事実とロジックのお話です。上で説明した構造シートをしっかり作って書くだけでも、70点の文章ができあがります。

 

あとは言葉遣いをブラッシュアップして、文章をレベルアップさせていきます。

 

しかし70点からのレベルアップには、時間と労力が必要です。40点を80点にするよりも、80点を90点にする方がむずかしいからです。

 

この本は1章で事実とロジックについて教え、残りの2章から5章で言葉遣いのブラッシュアップを教えています。

 

言葉遣いについては、主語や述語といった基本から高度なテクニックまで、62もの項目にわけて書かれています。1つ学ぶほどより洗練された文章になっていきますよ。

 

構造シートの話だけでも一生ものの知識です。最後まで読まれる文章の書き方を、さらに詳しく知りたい方はぜひ本を読んでみてください。

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